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サティシュ先生の夢みる大学

辻 信一

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日本の大学生たちが、シューマッハー・カレッジの 夢みる賢人たちと過ごした奇跡のような学びの一週間

現代を代表する思想家、教育者、 エコロジスト、平和運動家、サティシュ・クマール。

そのサティシュが設立した、現代エコロジーとホリスティック思想のハブとして名高い英国シューマッハーカレッジ。辻信一とそのゼミ生たちが、サティシュをはじめとする賢人たちとシューマッハーで夢のような学びの一週間を過ごす。本書はそれを丹念に記録したドキュメンタリーだ。

海辺を、川辺を、国立公園の森を散策しながら、キッチンで、菜園で、パブで、バーで、食堂で、朝の瞑想やミーティングで、学生たちは何を学び、どんな心の揺らぎを感じたのか。誰にとって驚きと喜びに満ちた経験は、どう若者たちの考えかたに影響し、彼らの生き方はどう変わったのか。

豊かな人生とは?
地球は生きている?
この世界に人間は必要か?
森と農業は両立できる?
就職しない生きかたとは?

本当の強さとは?
最高の贈りものとは?
最も偉大な教師は誰?
いかに死に向き合うか?
この危機の時代に希望はある?

こうした問いを真ん中に、サティシュが、ホリスティック科学者のステファン・ハーディングが、「フォレスト・ガーデン」の先駆者マーティン・クロフォードが、そして学生たちが、泣き、笑い、悩み、語り、分かり合い、手をとり合う。

 

本書を読んで、ぜひ読者のあなたも、あの一週間に連なり、その学びを追体験していただきたい。遅すぎることはない。サティシュが言うように、「あなたが着いたときが、ちょうどいいとき」なのだ。「誰もが特別なアーティスト」というサティシュの言葉をあなたも受け取って、自信と信頼を取り戻し、自分自身の可能性を引き出していただきたい。また、サティシュの座右の銘であるマハトマ・ガンディーの言葉のように、「Be the change that you wish to see in the world(こうなればいいなとあなたが願うその変化に、あなた自身がなりなさい)」。そう、あなたが変われば、世界は変わる!


本書はシューマッハーカレッジを目指す人たちのテキストとして、またガイドブックとして活躍した『英国シューマッハー校 サティシュ先生の  最高の人生をつくる授業』(2013年、講談社刊)に加筆修正を加え、元ゼミ生たちから集めた貴重な写真を加え、さらに最近サティシュを訪ねて共に過ごした著者による、書き下ろし「夢みる若者、夢みる老人」を加えて、新たに生まれ変わったピカピカの増補2024年版である。


「サティシュの話を聞けば聞くほど生きるのが楽しくなると、多くの人々が感じてきた。彼からの学びが、そのまま栄養となって人生を豊かにしてくれることを実感できる。いや、話を聞かなくたって、とにかく一緒にいるだけでも心が弾む。それがサティシュ・クマールという人なのだ」

(辻信一「まえがき」より)

2024年5月30日発行
四六判変形 240ページ
1,980円(本体1,800円+税10%)

装丁・イラスト:大岩さや(foonie)

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〜増補新版へのあとがきから〜

「死」についてぼくは尋ねた。サティシュは自分の死についても考えることがあるのか、と。「もちろんだよ」といって彼は微笑む。

「死はよきことだ。私は楽しみにしているんだよ。人生を物語だとすれば、死はいわばその結びだ。生がよきものなら、その結びである死がよくないものであるわけがないじゃないか」

相変わらず、彼(サティシュ)が歳をとったという感じもしない。いつも元気でエネルギッシュだ。メールにもすぐに返事をくれる。日常の彼をそれなりに知っているぼくだが、いまだに、彼の一日だけは二四時間以上あるのではないか、と思いたくなるほどだ。

「誰もがみんな特別なアーティストというサティシュの言葉が心に残っています。単に歌や絵のことではなく、「生活の中で丁寧に何かをする」ことがアートなんだ、と。母親になってそのことがよくわかるし、主婦であることにも誇りをもてます」(元ゼミ生)

「『外に雇用を求めるな』というサティシュの言葉を自分の中に引きずって、悩んだこともある。でも職種にこだわって就職し、この仕事をやり続けてきて今は、ああ、サティシュのいいたかったのはこれか、と思えるようになった」(元ゼミ生)

 

「サティシュは、人は愛するために、祝福するために生きているといっていましたね。愛するとは幸せなことですね。愛すると祝福したくなります。家族をもった今、シューマッハー・カレッジでの教えをリアルに感じ直しています。こうやって一生かけて味わっていくような学びだったんですね」(元ゼミ生)

彼らが、あの時も今も、夢みる人々であることがわかる。いつまでも夢なんか、見てるんじゃない、と社会は彼らにいうかもしれない。でも、ぼくにはサティシュのこんな声が聞こえてくるのだ。「大丈夫、なんの心配もいらない」

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「時には楽観主義的に

壮大な営みの一部であることを

しなやかに楽しみながらも

大地に深く根差された

サティシュ先生の教えは

いつだって足元から照らし

善い夢を育む

 

数多の生命とエレメンツが

溢れるこの惑星で

大きな一つの“いのち”として

輝くための叡智がここにある」

 

NOMA(モデル・環境省森里川海アンバサダー)

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「あのとき感じたワクワクは今もずっと続いている。サティシュ先生と過ごしたシューマッハーカレッジでの一週間が、私たち学生の人生を変えた!」

 

かえ(本書にも登場する元ゼミ生、現在スイス在住)

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 2013年初版『最高の人生をつくる授業』が、増補改訂版としてタイトルもあらたに刊行される。『最高の~』は僕にとってサティシュを知るきっかけとなった大切な一冊。あんまり感動してイギリスのシューマッハー校にまで行ってしまった。デヴォン州トットネス。空が広く緑豊かな町だった。そこでの体験による気づきはとても書き切れないけれど、本書に綴られた学生たちの日々が、実に瑞々しい臨場感を持ったドキュメンタリーであることを知った。

 

 世界には多くの思想家、活動家がいる。主張の反する相手を罵ったり、攻撃したりする人もある。なにかと複雑な現代、正解は簡単ではない。そのような中でも、サティシュのことばは、まるで静かな朝の詩のように語りかける。声高に主義を叫び合うよりも、美しいものをただ美しいと伝え合うことが必要なのではないか。そう教えてくれている気がしてならない。

 

堀田義樹(ヴォイスアーティスト)

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私がシューマッハカレッジに3か月余り滞在したのは2015年のこと。2009年、初めてサティシュにお会いして以来、私にとっての「夢みる大学」であったシューマッハカレッジへと強く私を導いてくれたのがこの本でした。

今あらためて、サティシュが語るエコロジーやホリスティックという価値が、今この時代を生きる私たちにとって本当に大切であることを感じています。

そして私にとってのサティシュとシューマッハカレッジの魅力は、「世界」の課題の解決を、暮らしの実感、さらには精神領域での安心の土台の上に立てようとする、地に足の着いた姿勢にあることを再確認しています。

今私たちはこの時代をどのようによりよく生きることができるのか。『夢みる大学』は多くの示唆と勇気を与えてくれる一冊です。

 

高橋和也(自由学園前学園長、現最高学部長)

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映画『夢みる小学校』を見て

この子たちは将来大丈夫かな、

そう感じたあなた!

 

大丈夫、心配ないよ。

その答えはすべて

この『夢みる大学』に

書かれているから♡

 

オオタヴィン(「夢みる小学校」「いただきます」「夢みる給食」映画監督)

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さっそく朝夜のMeditationで調和を意識して、手で球体(地球)を作っております。

また、所有という錯覚に対しても、私は同じ意見を持っています。

とても良い御本ですね。

読んでいるだけで、幸せになってきます。

人生まだまだこれから、という感じがしてきました。

ドリアン助川(明治学院大学国際学部教授・作家・歌手)

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どんどんのめり込んで読み進めてる。
なんだか勇気がもらえる。

辻さんの本って、ほんとにそう。
大丈夫、そのままススメ

そんな励ましのような気がしている。


読みやすいし、分かりやすい。
学生さんなど、若い人にも読んでもらえたら!とおすすめの一冊です。

平野馨生里(石徹白洋品店 代表)

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辻先生のゼミの学生さん達は、シューマッハー•カレッジで闊達で朗らかなサティシュ先生と一緒に素晴らしい1週間の学びの時を過ごします。美味しいベジタリアン料理にびっくりして地球のお客として生きるみんながアーティストと元気づけられます。辻先生も一緒になってワクワクの毎日です。私もいつの間にか学びの時間に参加して、ワクワクして驚いて安心して力が湧いて来て、そしてあっという間に最後の授業が終わってしまう時に寂しくなりました。もっともっとサティシュさんと辻さんと学生さん達と一緒にいたかったのに。

そこで私はまたこの本の1ページを開きました。

 

遠藤律子(ジャズピアニスト)

まえがき——「人生を豊かにする時間」へ、ようこそ

 

一日目 サティシュとシューマッハー・カレッジ

    サティシュがつくったふたつの学校

    一万三〇〇〇キロを無銭で歩く巡礼の旅

    敵国の友

     「地球のお客」として生きる

    勇気こそ通貨

    恐怖は決して愛を生まない

    最も偉大な教師は誰か

    本当のアーティストとは

     「シェアリング」の場所

    全体食の衝撃

 

二日目 自然という家族

    瞑想は暮らし、暮らしは瞑想

    ものごとの質を表す三つの言葉

    オーナーシップからリレーションシップへ

   「所有」と「人権」

    自然との調和は、社会にも調和をもたらす

    エリート大学の「ハーフ・エデュケーション」

    直線から循環へ、分離から一体性へ

    自然界における人間の役割とは

   「所有」は人間の本質か

    お金を減らして時間を増やす

    スピリチュアリティと宗教

三日目 ガイア理論と「魂」の世界

    自分たちの食事に関わる「不思議な感じ」

    ファストフードと種の絶滅の関係

    ガリレオの限界

    アニマ・ムンディ——魂の世界

    ディープ・エコロジーという試み

    ガイア理論の誕生

    地球はパーティをしている?

    人間は地球にとって、宇宙にとって、必要か?

    生きている地球へようこそ

    地球の歴史を体感するハイキング

   「先生、バーにサティシュが来てます」

 

四日目 就職しない生きかた

    新しい「世界の見かた」をつくるプロジェクト

    ジョージアの女性がくれた四袋の茶葉

   「雇用を求めないでほしい」

    誰もが特別なアーティスト

    幸せはどこにある?

   「仕事は遊び、遊びは仕事」

    まちがいや失敗は大歓迎

   「子育て」ではなく「子育ち」

    トイレ掃除とシェイクスピアの関係

五日目 自分の内の秘められた能力

    水から生きかたを学ぶ

   「先生は私ではない、水だ」

    ピカソは運がよかっただけ?

    幸せの「根っこ」

    親にとって最も大事な、究極の役割

    宗教とは本来、井戸のようなもの

    森の農業

    世界最古の農耕が蘇る

     「純粋主義」より多様性

    アートを生む三つのC

    ギフト——見返りを求めない愛

   「きみがここにいること」こそが最大のギフト

    絶望に対処する方法

    「私を連れていけばいい」

    若者たちは歌い踊りサティシュは飛び跳ねる

 

六日目 悲しみの手当て

    新しい旅の文化をつくろう

     「伝える」ための技術

    死という現実にいかに立ち向かうか

    死という名の再生

     「トランジション・タウン」の挑戦

    持続可能な未来はローカルフードから

    ガーデンシェアとランドシェア

    しなやかで強い社会を、草の根から

    伝統文化に大切なヒントが

    自分の可能性にふさわしい人生を

七日目 旅で見つけた宝もの

    人生の旅へ

    サティシュの心の温かさ

    若者たちが見つけた宝もの

    手間ひまかけて、丁寧に生きる

    幸せは感謝から

    想像を超えた一週間

    自分らしい生きかたへと踏み出す

 

Be the change!(二〇一三年版へのあとがき)

 

夢みる若者、夢みる老人(増補新版へのあとがき)

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サティシュ・クマール(Satish Kumar)
思想家、教育者、エコロジスト、平和運動家。1936 年インド生まれ。 シューマッハー・カレッジの創設者。1973年から2016年まで、エコロジー&スピリチュアル雑誌「リサージェンス」の編集主幹。日本語の著書に、『君あり、故に我あり』(講談社)、『サティシュ・クマールの ゆっくり問答 with 辻 信一」(SOKEI)、『エレガント・シンプリシティ「簡素」に美しく生きる』(NHK出版)など。

 

シューマッハー・カレッジ(Schumacher College)
1991年、サティシュ・クマールとその仲間たちによって英国デボン州に設立された大学/大学院。エコロジーとスピリチュアリティを続合する「ホリスティック・サイエンス」という新しい学問分野の先駆け。

ステファン・ハーディング(Stephan Harding)

生態学者。シューマッハー・カレッジ創設時から、ホリスティック・サイエンス修士課程の教授としてカレッジの中心的な役割を担う。著書に『アニメイト・アース〈Animate Earth>(生きている地球)』(未邦訳)など。

マーティン・クロフォード(Martin Crawford)

フォレスト・ガーデン」という斬新な農法を編み出したことで知られるアグロフォレストリー(森林農)研究家。著書にCreating a Forest Garden(フォレスト・ガーデンのつくり方)』(未邦訳)など。

<著者>

辻 信一(つじ しんいち)

文化人類学者、NGO「ナマケモノ倶楽部」代表。 アクティビストとして、「スローライフ」「ハチドリのひとしずく」「キャンドルナイト」「ローカリゼーション」など、数々の環境=文化運動や 環境共生型ビジネスに取り組んできた。サティシュ・クマールを師と仰ぐ。 著書に『自然農という生きかた』(ゆっくり堂)、『ナマケモノ教授のムダのてつがく』(さくら舎)、『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社)など、訳書にビノーバ・バーベ/サティシュ・クマール著『怖れるなかれ 愛と共感の大地へ』(ゆっくり小文庫)、映像作品に「サティシュの学校 みんな、特別なアーティスト』(SOKEI)など。

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